概要

ACM SACとはACM/SIGAPP Symposium On Applied Computingの略で、応用コンピューティングに関する国際会議である。今回の開催が30回目で、37のTrackで構成されている。詳細はこちらのウェブサイト[1]を参照。私の論文が無事に査読を通過したので、発表のために先生とスペインに行ってきた。発表TrackはMMV(Multimedia & Visualization)。
開催地はサラマンカという都市で、世界遺産に登録されている美しい街である。
図1 会場(の入り口)
図2 Receptionでの食事(美味)

発表準備と発表本番

慣れない英語での発表になるため、文の区切りや強調する部分などを日本語以上に意識しながら発表練習を行なった。また、発表内容が聴衆に伝わりやすいように発表スライドを先生と何度も見直し、修正を重ねた。日本と海外のスライドの違いも意識し、示している内容がいつも以上に明確なスライドを作成することを心がけた。先生との発表練習に加え、暦本式英語スピーチ練習法[2]を実践した。Macを使っている人にはおすすめの方法なので是非。
(ちなみに発表は学会最終日の最後のセッションの最後の発表だったため、最後の最後まで気が抜けなかった。そんなわけで先生には最後の最後まで発表練習と発表スライド修正に付き合っていただいた。)

発表本番は当然ながら非常に緊張したが、入念な準備(?)の成果もあってかほぼ発表時間ちょうどで、スムーズに発表を終えることができた。質疑応答の時間には、3人の方々からご質問・ご意見をいただけたので、興味を持っていただける発表をすることができたと思う。正直なところ、質疑応答はスムーズに行なえたとはいえなかった。しかし、難しい英語については座長や他の方々がわかりやすくフォローをしてくださったことで、無事に終えることができた。

観光・生活編

概要でも書いたとおり、会場のサラマンカは世界遺産に登録されている非常に美しい街だった。私は最後の発表だったため、あまり観光をする余裕はなかったが、それでも街の雰囲気や現地の美味しい料理を堪能することができた。

サラマンカではホテルのフロントを除きほとんど英語は通じなかった。そのため、『地球の歩き方』で最低限のスペイン語(こんにちは、ありがとう、すみません、いくらですか、等)を調べ、そのメモを持ち歩きながら行動した。値段は口頭で言われてもわからないため(スペイン語での数字の言い方がわからない)、会計のときには店員にボールペンと「€」とだけ書いたメモ帳を渡し、値段を書いてもらった。偶然なのか、マドリッドではかなり英語が通じるように感じた。食事に関しては、Googleマップの掲載写真を頼りに、料理の写真が載ったメニューがあるレストランに行くと楽だった。写真のないメニューの場合にはGoogle翻訳に頼るしかなかった。この経験から、英語圏以外に行く際には、
  • 現地の最低限の言葉はメモし持ち歩く
  • 値段がわからないときは店員に書いてもらう
  • なるべくメニューに写真があるレストランを選ぶか、事前に現地の料理を調べておく
ことが必要であることを学んだ。
図3 サラマンカの街並み
図4 スペインでもっとも美しいマヨール広場
図5 アヒージョ
図6 ピンチョス

その他、感じたことなど

初めての海外、初めての英語での登壇発表ということで、不安な部分も多くあった今回の国際会議参加だったが、こちらのブログ記事[3]で非常に勇気づけられた(特に記事内の3,4)。この記事を読んで、国際会議参加への心理的なハードルを下げることができた。深刻に考えすぎて、英語を怖がって国際会議に参加しないのはもったいない。とりあえず投稿、気楽にやってみる!ということが大事だと思う。Coffee Breakや食事の時間に、日本人同士で話したって良い(私も実際に感じたことだが、みなさん結構同じ国の人と話している)し、恥ずかしがって英語を話さないよりも、下手でもジャパニーズイングリッシュで積極的に話す方が良い。私は基本的には日本人と話し、Receptionの時間には、若干お酒の力も借りながら他国の人に英語で話しかけにいってみた。そして最後には一緒に写真を撮ってもらうことができた。

初めての国際会議発表は初めての海外旅行でもあり、日本との違いに沢山驚き、新鮮だった。そして、必死に英語を話していたら、いつの間にか英語に対する抵抗もなくなり、下手でもとりあえず話そう、と思えるようになった。


参考文献

[1] SAC 2015,入手先<http://www.acm.org/conferences/sac/sac2015/>(参照2015-06-11).
[2] 暦本式英語スピーチ練習法,入手先<http://d.hatena.ne.jp/rkmt/20140622/1403408067>(参照2015-06-11).
[3] 国際学会での英語報告初心者向けアドバイス,入手先<http://sakunary.blog134.fc2.com/blog-entry-12.html>(参照2015-06-11).